【ピアノ】 岡田博美ピアノリサイタル 2019

毎年、岡田さんのリサイタルの時期になると、そろそろ冬がやってくるなぁと感じます。今年は秋が来ないまま冬になってしまいそうですね。春もあったような、なかったような印象でしたし、これからは夏と冬しかなくなってしまうのでしょうかね。

ということで、昨晩は上野の文化会館で岡田博美さんのリサイタルを聴いてきました。

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今回は「軽妙洒脱の技」をテーマとしたプログラムでした。この軽妙洒脱のあとに「技」が付いていることがポイントだったのか?と終演後考え込んでしまいました、というのは冗談です(笑)

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ベートーヴェン: ソナタ変ホ長調作品7
ブラームス: パガニーニの主題による変奏曲作品35
(休憩)
ドビュッシー: 子供の領分
サン=サーンス: グルックの「アルセスト」の舞踏曲にもとづくカプリス
         ワルツの形式によるエチュード作品52−6

ピアノの名手の作品ばかりが並びました。

パガニーニの主題は言わずと知れたあの曲ですが、ブラームスの変奏曲は初めて聴きました。いやもうとにかく圧倒的な演奏で、最初から最後まで口をポカンと開けて聴いていたというのが正直なところです。確かに岡田さんのピアノは軽妙洒脱そのものでした。楽譜の想像がつかないくらいの難曲をここまで鮮やかに、かつ音楽的な説得力をもって聴かせることができるのは、岡田さんくらいしかいないのではないかと思ったほどでした。一方、聴いている方は軽妙洒脱どころではなかったかも知れません。「技」がついている意味はこれ?と思ったりして(笑)

ブラームスにしては珍しくメカニックも前面に出てくる作品でしたが、チェレスタのような弱奏部分の高音がとても美しく、技を駆使しつつも音楽的に聴かせる深い味わいのある演奏で、個人的には昨日の白眉だったと思います。

これから一体どうなってしまうのかとドキドキしながら始まった後半のドビュッシーは、様々なタッチによる色彩感と、冷静な中にも豊かな表情が窺えた本当に素敵な演奏でした。それこそ軽めな曲という捉え方されることが多いこの曲が、実は映像や版画と前奏曲集との間で描かれたのだという、その位置づけも明確に示した演奏だと思います。こういう冷静な分析と表現は岡田さんならでは。

ラストのサン=サーンスの2曲も僕は初めて聴く作品で、軽妙洒脱の意味をゆったりと感じつつ楽しませて頂きました(それでも相当凄かったのですが、ブラームスで免疫ができていたのかも知れませんね)。曲そのものはサン=サーンスらしい屁理屈に溢れているように見受けたのですが、それを感じさせないお洒落で素敵な演奏でした。

ブラヴォ! 

いつもこれを叫ぶおじさんは今回はおられなかったようですが、ホールはそれを上回る熱い拍手に覆われていました。アンコールは、ショパンのエチュードからエオリアンハープ、サン=サーンスの左手のための6つの練習曲からブーレでした。あれだけ弾いて、ラストが左手だけというのもお洒落でした。

とても幸せな気分に浸ったソワレでした。

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