リシルド序曲


吹奏楽コンクールは県大会から地方大会真っ盛りですね。僕の故郷、兵庫県はかつての勢いは何処へやら、中学校の部以外はパッとしないようで、ちょっと残念な今日この頃です。というか、こうなってから随分経つような気もします(笑)

そんな中、先日開催された兵庫県コンクール一般の部では、名門尼崎市吹奏楽団がダメ金で県代表になれませんでした。僕の記憶では80年の県落ちを覚えているくらいで、全日本で金賞が取れなくても、はたまた関西代表となれなくとも、県落ちとはちょっとショックですね。

80年は、尼吹が関西大会すら完全に舐めていて代表になって当たり前の時代。前年、その尼吹が全国銀賞で関西へのシード権を逃して県大会から参加ということで、2番手だった西宮市吹が本気でただ1つの県代表をものにしようと「運命の力」を引っ提げて挑んできた、その真剣さの前に敗れたのでした。その県大会は僕も聴きましたが、あの演奏では尼吹が何を言ってもダメダメかなというくらいのあり得ない出来でしたし、西宮の県大会の演奏は花祭り共々本当に素晴らしかった。

さて、この間新宿タワレコで「辻井清幸~尼吹と歩んだ53年の軌跡」というDVDを見かけました。調べてみるとこの4月に辻井先生は勇退コンサートが開催されており、今年のコンクールは福原さんが棒を振られたようです。このDVDでは神話、寄港地以降の比較的新しい(それでも古いといえば古いけれど)ものが収録されていました。

僕にとって初めての尼吹との出会いは、このタイトルのリシルド序曲、1971年度のコンクールの演奏でした。一般のの部とはいえまだ45人だったかの制限があった時代、あのギャルドのためにパレが書いたこの曲をそのまま演奏できるわけもなく、おそらく木村先生のアレンジだと思いますが、大阪市音、尼吹の音がする編曲でした。今津中のコンクール初演、淀工の全日本初出場のときもこの楽譜だったのではなかろうかと。

この尼吹の演奏で強く印象に残ったのはクラリネットセクションの凄さ。1番から3番まで穴がなく、縦横無尽の大活躍でした。もちろん生ではなくレコードではありましたが、感動とかいうレベルではなく圧倒されたというのが正直なところでした。ドラマチックで美しく、わかりやすいこの曲ですが、逆に誤魔化しは効かず、真っ向から曲に立ち向かったその姿は正に尼吹の真骨頂だったと思います。

さて、このリシルドの名演奏はあるようであまりなかったりしますが、やはり本家のギャルドがイチオシでしょうか。あとやや大味ですが佼成の演奏もなかなかのもの。アマチュアでは尼吹のこの演奏、銚子商の彼らの原点を見るような演奏、出雲吹奏楽団の端正さ溢れる演奏、そして兵庫高の透明感溢れるサウンドが印象に残っています。兵庫高とこの曲の組み合わせは意外かも知れませんが、あのサウンドの原点とも言える演奏だと思います。

そんな中、70年代終わりから80年代にかけて、2分の2からのテンポが異様に速くなる演奏が姿を現しました。この4小節目の八分音符の音価は等価で、スラーで結ばれた2つの八分音符は、その楽譜演奏されるべきところ、このスラーをあたかも装飾音符のような扱いをして裏拍に重さがかかってしまっています。急にやんちゃな子供が出現して暴れ出したかのようで、緊張感ぶち壊しており、あり得ないです。序奏がいくら豊饒でたっぷりとしていても、あれでは突然の興醒め以外の何ものでもありませんでした。楽譜をどう読んでどう解釈したら、ああなるんでしょうか?

話は戻って、尼崎市吹奏楽団ですが、圧倒的王者としてまたその演奏を聴く日を楽しみにしています。コンクールなんかどうでも良い(そうでもないか(笑))ので、らしい演奏をお願いします!

8/16
【部屋トレ】体幹、ストレッチ
【ピアノ】フーガ~平均律第19番、近所の人たちの踊り、粉屋の女房の踊り~三角帽子

にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ
にほんブログ村

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック