【ピアノ】 ジャン・チャクムル ピアノリサイタル /クラシック倶楽部

台風19号襲来の前日、11日朝のBSプレミアム「クラシック倶楽部」は、8/5にすみだトリフォニーホールで開催された、浜コンの覇者ジャン・チャクムルさんのピアノリサイタルから抜粋して放送されました。

オリジナルのプログラムは、ショパン/ワルツ第1番変ホ長調、メンデルスゾーン/幻想曲嬰ヘ短調「スコットランド・ソナタ」、バッハ/イギリス組曲第6番ニ短調、シューベルト/ソナタ第7番変ホ長調、ショパン/第6〜8、15番〜24の前奏曲、バルトーク/野外にて、でしたが、放映されたのはメンデルスゾーン、シューベルト、そしてバルトークの3曲でした。このうち、メンデルスゾーンとバッハは5/21紀尾井ホールでの浜コン入賞者披露演奏会でも演奏されました。

チャクムルさんの演奏には、如上の紀尾井ホールで初めて接して、特にバッハにおける表現の多様性というか(何か特殊なことをしているという意味ではなく)、アンドラーシュ・シフの演奏のような歌心溢れる演奏に強く惹かれました。素材としては粒立ちが明確で十分な余韻を湛えた音、大きくなれば豊かに響き、密やかさの中でもキラキラ光る弱音を駆使して、とても緻密かつスケールの大きな音楽が印象に残っています。

メンデルスゾーンは紀尾井でも聴きました。個人的には曲そのものに魅力を感じないというか、フィンガルの洞窟とかルイブラスとかを聴いてもわかるように何のことはない音楽が淡々と進んでいくのですが、そんな曲でも退屈させない聴かせる演奏だったと思います。シューベルトはコロコロとしたピアノの音を活かして、些かの揺るぎもない堅牢な構築力とチャーミングさを兼ね備えた生き生きとした素敵な演奏でした。この曲はそうではありませんが、何度も同じことを長々と、というシューベルトも彼の敵ではないようです。

そして、圧巻はバルトーク。ピアノは打楽器だと言い切ったバルトークよろしく、冒頭の「笛と太鼓」からインパクトのある響きが聴けました。ただ、叩きつけるのではなくうまく響かせているので、音が割れるということはなく煩くないし破裂音もしません。むしろ美しい音だと思うくらい。舟歌、ミュゼットと進み「夜の音楽」では打って変わって神秘的な世界。バルトークはバーバリズム云々と言われるが、実は繊細な音楽なのだとその昔、学生時代に聞かされたことを想い出しました。そして、ラストの「狩」は「中国の不思議な役人」におけるミュートをつけたトロンボーンの掛け合いから始まる追っかけ合いの場面を彷彿とさせるスリリングな曲。ここでも音も響きも、そしてテンポも一糸乱れず見事な流れの中でエンディング。素晴らしかったです。

命ある間にできるだけ多くのリサイタルに足を運びたいとは思うものの、そうもいきませんから、こうしたテレビ放映なども活用して楽しみたいと思います。

ところで、バルトークは紀尾井での演奏会で安並さんが演奏された曲ですが、今回この曲を採り上げたことに「チーム浜松本選」の結束力は影響していたのだろうか、などと余計なことを考えてしまいました(笑)

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