プロコフィエフ: 交響曲第7番嬰ハ短調作品131第4楽章(吹奏楽版)


プロコの交響曲の中で
吹奏楽で演奏されたもう一つは第7番の第4楽章
85年全日本コンクール33回大会の三重大学吹奏楽団によるもの。

厳ついプロコフィエフの交響曲の中にあって
“青春”と称される晩年に作曲された第7番は他の曲とは異なり
甘いメロディとわかりやすい構成で親しみがもてる作品だと思います。
なかでも第4楽章は映画音楽的なコミカルさも持ち合わせており
吹奏楽でも五月蝿いだけの演奏にはなりにくいのではないでしょうか。

この三重大学の演奏も大変上手で
細かいパッセージの処理もグイグイ鮮やかに決まっており
軽快なテンポでチャップリンでも出てきそうな感すらします。
また見事なエンディングに息を呑みました。

年によってかなりムラがあるような印象がある三重大学ですが
この前の年はシンフォニック・ダンス第3楽章(ラフマニノフ)
翌年は交響曲第3番イ短調(ラフマニノフ)を採り上げて
いずれもラフマニノフらしい音を見事に表現した好演が続いています。

ラフ3の翌年は金賞に輝いていて
ドビュッシーの民謡を主題としたスコットランド風行進曲を演奏。
その3年後の90年、91年には“道化師の朝の歌”(76年)以来のラヴェル
マラゲーニャ・祭りの日~「スペイン狂詩曲」、「ダフニスとクロエ」第2組曲が続きます。
両曲ともに決してありがちな見せかけの軽薄な演奏ではなく
丁寧に作りこまれた音で極上の吟醸ワインを味わっているかのような
実に気品に溢れた見事なラヴェルだったと思います。

この大学の選曲はいつも意欲的なもので
ドビュッシーの祭~夜想曲やイベリア、喜びの島は真っ先に採り上げていましたし
ラヴェルも「高雅で感傷的なワルツ」を演奏したことは記憶に新しいところです。
その昔、ブルックナーの第4番も演奏していたような気がしますが違ったかな?

文中記載した演奏曲目は以下の通りです。
(数字は演奏年度、作曲者/編曲者)

75 ドビュッシー/シェーファー: 三つの夜想曲から祭り
76 ラヴェル/オドム: 道化師の朝の歌
77 ドビュッシー/沖公智: 管弦楽のための映像「イベリア」から第1楽章
84 ラフマニノフ/佐藤正人: シンフォニック・ダンス第3楽章
85 プロコフィエフ/沖公智: 交響曲第7番嬰ハ短調作品131第4楽章
86 ラフマニノフ/沖公智: 交響曲第3番イ短調作品44第3楽章
87 ドビュッシー/沖公智: 民謡を主題としたスコットランド風行進曲
90 ラヴェル/八田泰一: スペイン狂詩曲からマラゲーニャ・祭りの日
91 ラヴェル/ブートリー: 「ダフニスとクロエ」第2組曲
97 ドビュッシー/沖公智: 喜びの島

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この記事へのコメント

よんちゃん
2008年06月04日 08:17
こんにちは。
選曲のことですが、花輪高校は小林先生が決定権をもっているとわかります。三重大はどうなんでしょう?指揮者の方か学生かどちらでしょう?おそらく指揮者の方であろうと考えます。
すみません。脱線コメントでした。
24hirofumi
2008年06月04日 10:00
> よんちゃんさま

コメントありがとうございます。

どうなんでしょうね?沖先生はもう退官なさってますが、三重大学の教授でいらしたので運営にも関わっておわれたのではないかと想像するのですが・・・。

ボクの知る範囲では、中学校はほぼ先生が決めておられましたが、高校では先生が決められるところ、先生が呈示された数曲から生徒が選ぶところ、先生はアドバイスされるだけで生徒が決めるところと区々でした。

ボクの母校は大した学校ではありませんが、現役当時は生徒(3年生)が数曲選んでトレーナーの先生と(そもそも実力に見合っているのかを)相談しながら決めていました。その後OBが棒を振るようになったときには彼等も深く関与するようになって編曲までやっていたこともあります。
とくめい
2009年04月25日 22:04
三重大はダフクロシンドロームに罹ってしまい、その後パッとしないどころじゃないです。
入試の実技・ペーパーの比率が変わってからダメになりました。
沖先生は皇帝で、取り巻きのOBが今では指揮をしています。
でも、確かにラヴェルの解釈は素晴らしいものがありました。
24hirofumi
2009年04月26日 09:23
> とくめいさま

コメントありがとうございます。
個性豊かな選曲と音楽を聴かせてくださる三重大学ですが、最近はちょっと寂しい感じがしますね。また聴衆をうならせるような演奏を聴かせて頂けることを待っています。
HYUGA31M
2021年01月13日 21:19
この演奏,会場で聴きました。結果は金賞ではなかったけれど,大学の部の演奏の中では心に残るものでした。すぐにテープを買ってしまいました。UPもされてないので,貴重なものだろうなと思います。その後の休憩中,トイレに行くと聴いていた人が口ずさんでいたのを思い出します。それほど印象的な素敵な演奏でしたね。

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