出雲市立第一中学校吹奏楽部

この学校を始めとして今津中・豊島十中・山王中といった大御所や
土気中・宝梅中・野田中・城陽中等については触れるまいと思っていましたが
指導する先生によって水準が大きく左右される中学校の中にあって
何度も先生が交代する中で全日本に35回も駒を進めた出雲一中は
圧倒的な別格ということで、敢えてコメントさせて頂こうかと思います。

本来であれば生演奏に一度くらい接していておかしくないのですが
実は一度もライブは聴かせて頂いておらず、録音、それもコンクールの音源のみ。

スケールの大きな堂々たる響きの片寄哲夫先生
丁寧なアンサンブルから美しい音楽を紡ぎ出す渡部修明先生
ハイレベルなテクニックを最大限に生かしつつスマートな音楽を作り上げた錦織雄司先生
伝統を守りつつも新しいサウンド・音楽を追求し続けておられる原田実先生

少々(かなり?)乱暴ですが、ボクの持っている大掴みな印象です。
中でもボクの現役時代に様々なインパクトを受けたのが渡部、錦織両先生の時代。
(片寄先生のトッカータとフーガやジェリコの印象はある意味別格で強烈ですが)

実は一番最初に聴いたレコードは、これ↓だったのでした。
舞踊組曲「ダフニスとクローエ」第2番より日の出、全員の踊り(プログラム表記そのまま)
奇を衒うわけでもなく、丁寧なアンサンブルから生まれた自然な音楽
それも中学生の演奏は圧倒的な存在感をもってボクの心に迫ってきました。
海外のプロのレコード録音ならいざ知らず
国内のオケではベートーベンやブラームス、チャイコフスキーしか聴けなかったこの当時
ダフクロを演奏されたのを聴いたのはワセオケくらいだったと思います。
45人編成の約1/3を占めたクラリネット群が色んなところで大活躍
同じクラリネットをやっていたボクには大きな刺激となったのも事実です。

・ 素朴な語りかけの一方で洗練された演奏の「吹奏楽のための寓話」
・ 輝かしい金管と鮮やかな木管、打楽器のスパイスが素敵だった「祝典序曲」
・ 見事なアンサンブルで楽しいカーニバルを描いた「ローマの謝肉祭序曲」
・ 繊細さと冷静さをもってスケールの大きな物語を作った「シェヘラザード第4楽章」
・ 驚くべき立体感でドビュッシーの世界を表現した「イベリア第2・3楽章」
・ 圧倒的なテクニックで大きなスケールの中でも小気味良く情景を描いた「イタリア奇想曲」

挙げればキリがありません。
特に82年の「火の鳥」は、フィナーレに焦りが感じられたのは少し残念だったものの見事で
どうして銅賞だったのか、一体全体さっぱり理解できませんでした(今でも)。

中学校の吹奏楽が日本の吹奏楽をリードしていた時代を知るボクにとって
出雲一中は特別な存在、これからも益々のご活躍をお願いします!

この記事へのコメント

出雲の阿国
2006年06月09日 13:47
私は一中OBではありませんが、渡部修明先生が現役時代に
別の学校でホルンを吹いていたものです。
当時、一中と言えばステージに出てきた時から客席を圧倒。
音を揃えて立ち上がるそのさまは(一中立ちというらしいです^^;)
まさに迫力そのもの。それだけで客席が水をうったように
しーーーんと静まり返ったものです。
今でもそうですが、一中は伝統校ならではの気品があると思います。
これは外のどの学校にも見られない、一中だけに感じるものです。
ご指摘のとおり、伝統校とは言えごく普通の公立中学校。
先生の異動も当たり前にありますし、その中で今の一中サウンドを
支えてこられたのには大変なプレッシャーがあったと聞いております。
今もなお、輝き続ける一中サウンド。
県民の、そして吹奏楽を愛するものの象徴として
これからのますますのご活躍をお祈りしています。
24hirofumi
2006年06月11日 19:00
> 出雲の阿国さま

コメントありがとうございました。
ライブ録音には、演奏のあと「ドン」という音と共に起立する様子が入っていますが、そのことでしょうか>一中立ち。演奏前にもやっているんですね。今は全日本では演奏前は指揮者だけの挨拶になってしまってますが、今でも島根県大会では見られるのでしょうか。
いずれにせよ、これだけ長きに渡って築きあげられた立派な伝統を教育委員会の都合なんぞで潰さないで欲しいと切に願います。
出雲の火の鳥
2008年05月08日 23:08
お褒めいただいた火の鳥の演奏はテクニックとの戦いでした(^^ゞ 原曲のバイオリンのパートをトランペットで演奏するなんて錦織先生を恨んだものでした(^^) 今思うと長年大会で成績を残してこれたのは、先生方の編曲、指導は勿論、諸先輩方の体育系より厳しい指導(^o^;あっての結果だと思っています。長い時間をかけて改良を重ねてきた独自の、演奏前トレーニング その楽器が奏でるはずの音にこだわる所から毎日の練習の始まりでした。当時は知らない人からよく言われました 一中だから全国大会に行けるんだと(_´Д`) でも死に物狂いで練習に明け暮れた日々があっての結果なんだって声を大にして言いたかったものです これからも出雲市立第一中学校吹奏楽部を陰ながら見守っていきたいと思います OBである事を誇りに………  最後に間違って「一音入魂!」の方にコメしてしまいましたので、削除依頼をお願いいたします。m(__)m
24hirofumi
2008年05月09日 09:52
> 出雲の火の鳥さま

コメントありがとうございます。
あの出雲一中で実際に演奏なさった卒業生の方にお立ち寄り頂けるなんて光栄です。

「一中だから全日本に行ける」
それは部員の方々が切磋琢磨し、先生と共に必死になって取組んできた結果、それが「一中」という伝統を作ってこられたわけで、それは順序が逆だろうなぁと勝手に想像しております。

錦織先生の音楽はいつもスマートで格好イイのでファンでした。火の鳥はテクニックもパワーも必要なので中学生には至難の曲でしたが見事な演奏だったと僭越ながら思っております。あの年は島根で国体があったと伺いました。いずれも準備が大変でいらしたことと存じます。

「一音入魂」に頂戴したコメントは削除させて頂きました。
poony
2016年11月30日 19:03
 たまたま渡部修明先生を検索していてここに来ました。私は76年に中学1年で「ラヴェル:舞踊組曲「ダフニスとクローエ」第2番より日の出、全員の踊り」のレコードを聴きました。何百回も!この年の山王中「スペイン狂詩曲」とともに1発でラベルが1番好きな作曲家になりました。なんかつまらないコメントでごめんなさい。
24hirofumi
2016年12月10日 12:53
> poonyさま

コメントありがとうございます。レスポンスが遅くなってすみません。3枚ものの実況録音盤のLPでしたね。山王中と豊島十中は1枚目に職場の部と一緒に、出雲一中が2枚目に大学、一般の部と一緒に。この年の中学、高校の部の選曲は斬新でエポックメイキングでした。
cyberhvn
2019年08月04日 10:54
渡部修明先生が一昨日、ご逝去なさいました。ここにご報告申し上げます。
24hirofumi
2019年09月19日 07:17
>cyberhvnさん
コメントありがとうございました。レスポンスが遅く申し訳ございません。渡部先生、ご逝去とのこと。どうか安らかにお眠りください。天国でもタクトを振っておられることでしょう。

この記事へのトラックバック

  • 伝説の名演~日本の吹奏楽’76(中学その2・大学・一般)

    Excerpt: ラヴェル:舞踊組曲「ダフニスとクローエ」第2番より日の出、全員の踊り(出雲一中) ポート:奇想曲(関西学院大) ラヴェル:道化師の朝の歌(三重大) ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲(尼崎市吹) .. Weblog: 音楽徒然草 racked: 2006-08-21 11:00