音楽徒然草
山本貴志オール・ショパン・リサイタル
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作成日時 : 2008/07/22 09:58
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ただ立っているだけでも汗が止まらない酷暑の大阪
35度という外気温からエアコンの効いたホールに入ったせいか
やたら咳払いをする方が多く何となくざわざわとした客席は
ほぼ満席で1階中央部分には補助席まで出ていました。
有名なノクターンで始まったリサイタルでしたが
冷えたホール、鳴らないピアノそして緊張のせいか音楽の表情は硬く
これまた有名な華麗なる大ワルツでもざわめきは収まりませんでした。
マズルカに入るとホールとピアノが馴染み出し
持ち前の深い音が聴かれ、豊かな表情が見られるようになってきて
ぽつんと浮いたピアノがだんだんとホール全体と一体化を始めました。
そして即興曲の軽やかな三連譜は
敷き詰められた小石の上を太陽の光を受けて煌きながら流れる水のようで
清涼感の中、弱音に対する聴衆の集中力は一気に高まりました。
満を持して奏された感のあるスケルツォ第4番は
随所に見られる細かく速いパッセージはイチローのレーザービームさながらで
抒情的な部分と好対照をなしながら圧倒的な音楽を聴かせてくれました。
それだけに最後のスケールが鳴り切らなかったのはとても惜しかった。
休憩の後、後半はバルカローレで始まりました。
実に心地良い左手の奏句に右手が歌う様子は
のんびりと揺れ動くゴンドラから見える様々な風景が目に浮かぶようでした。
昨年のタケミツメモリアルの演奏よりも格段に良かったと思います。
プログラムの最初の曲は難しいですね。
スケルツォ第3番は前半の第4番とともにこの日の白眉で
ヒステリックになりがちなこの曲のスケールの大きな演奏に魅了されました。
この辺りでボクのボルテージは最高潮に達したようです。
思わず「ブラボー」と叫びそうになるほど大興奮。
冷静に聴いた別れの曲では細かなニュアンスが絶妙でしたし
英雄ポロネーズ中間部のテンポの速さにはもう目がテン
通俗的になりがちなラスト3曲も新鮮な音楽を聴くことができました。
贅沢を言わせて頂ければ、後半はソナタ中心にして欲しかったかな。
アンコールはトロイメライと革命のエチュード
大切に持ち歩いておられるハンカチをピアノにポーンと投げるや否や
突然始まった革命は息もつかせぬ見事な一気呵成の演奏。
何かものすごく得した気分(笑)
大満足のリサイタル
ホールを一歩出るとそこは灼熱地獄で
一気に現実に引き戻されたのでした。
山本貴志オール・ショパン・リサイタル
夜想曲第2番
ワルツ第1番「華麗なる大円舞曲」
4つのマズルカ 第10番・第11番・第12番・第13番
即興曲第1番
スケルツォ第4番
舟歌
スケルツォ第3番
練習曲第3番「別れの曲」
幻想即興曲
ポロネーズ 第6番「英雄」
山本貴志(ピアノ)
2008年7月20日 ザ・シンフォニー・ホール(大阪)
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